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(09・5・29)政府交渉(川根本町官公造林問題)
保健所のOKが出て交渉に間に合いました
今日の午前は厚生労働省(スズキの雇用問題と介護保険問題)、午後は国土交通省(小山町のボートピア問題)、林野庁(川根本町の官公造林問題)、経済産業省(浜岡原発)の問題での政府交渉とレクチャーを受けました。
この交渉には佐々木憲昭衆議院議員、瀬古由起子元衆議院議員、久米信雄元舞阪町議、清水澄夫御前崎市議、塚平育世函南町議、大庭桃子函南町議、鈴木多津枝川根本町議、加藤宏和元小山町議等が参加しました。
私は、風邪をひいてマスクを付けて参加しましたが、国会の議員会館の入り口に「新インフルエンザの疑いのある熱のある方、のどの痛み、咳のでる方は入館を遠慮してください」との張り紙があり、念のため保健所に電話して症状を話すと、「昨日から熱があり、今朝37℃の熱なら普通の風邪でしょう。家族や知り合いで外国旅行から帰ってきた人はいますか」と聞かれ、「それはありません」と答えると、「新型インフルエンザならもっと高い熱が出ています」とOKがでました。
「業務偽装」は違法
交渉結果は次のとおりです。 《厚生労働省》 県内トップ企業であるスズキは、すでに約1千名の非正規社員(生産部門派遣社員850名、期間社員110名)の大半を解雇したうえに、4月から間接部門で働く株式会社スズキビジネス(以下スズキビジネスという)からの派遣社員になっている雇用継続や60才定年者の再雇用も拒否するなど、さらなる大量の雇用破壊を進めようとしている。 スズキビジネスの社員は、5年〜10年と長い間契約更新を繰り返しながら、正規労働者の代替としてスズキとスズキ関連企業のみに派遣される「もっぱら派遣」である。 また、形式上は派遣受け入れ期間の定めのない専門業種で契約しているが、実態は専門業務以外の一般業務も多い「業務偽装」になっているなど、違法を重ねた上での解雇となる。 スズキビジネスの派遣社員にたいする解雇(雇い止め)は、違法であり、解雇を中止するよう指導すること。
A―――個別の事案には回答できないが、もしこうした指摘が事実なら、法律違反になる。労働者派遣法7条で「もっぱら派遣」は認められない。 専門業務で派遣されても実態を見て、付随業務が1割を超えていれば制度に反する対象になる。(違法になる) 申告は本人によるものだが、知りえた者や親族からの情報提供があれば調査するので労働局へ申し出てほしい。 申告者には結果は伝えている。迅速にできていないものはおそらく調査にあたり事業所との調整に時間がかかっているものと思われる。家族も情報提供者で、結果は申告者(本人)にのみ伝える。
介護保険と医療の充実を求める
《厚生労働省》 4月から介護保険の認定制度が変わったことにかかわる以下の問題について要請する。 1、介護認定は、身体状況が安定していることがベースになっているが、末期がんの患者は安定していない。末期がんの患者が症状が急に重くなることを考慮した認定に改善するか、医療保険でもっと手厚い援助が受けられるようにしてほしい。
A―――特定の疾病について認定で考慮することには慎重である。 末期がんは迅速に介護サービスを行う必要を感じている。申請日からサービスを受けられる。また区分変更の申請ができる。 医療保険の適用については、緩和ケアは特別に評価している。在宅でも訪問サービスは医療保険で行っている。施設でも訪問看護に医療保険が使える。
2、これまでは寝たきりで寝返りができないと「全介助」だったが、新しい制度では「自立」となるのはあまりに不合理である。三島市でも当面、介護サービスの急激な変更を避けるため、経過措置を設けて対応しているが、新しい判定基準は撤回してほしい。
A―――3月までの認定方法では調査員個人の判断が入りばらつきがあった。4月以降は客観的にやれるようにした。見直しに不安の声があることは認識している。「要介護認定の見直しにかかる検証・検討会」で検討中なので、その間、経過措置をとっている。検討会の結果を待って必要に応じて見直す。
3、高齢者の胃ろう患者が増え、特別養護老人ホームや病院でも、人手不足から「胃ろうがある場合は受け入れない」という施設もある。胃ろう患者をサポートする体制の充実を図るとともに、胃ろう患者を減らすための予防にも力を注ぎ、口から食べる練習を加算してほしい。
A―――特別養護老人ホームの看護職員の配置には加算がある。胃ろうを減らすために口から食べられるようにすることは重要と考えており、口から食べられるようにすること(経口移行加算)、口から食べることを維持すること(経口維持加算)は従来から行っている。
4、40代の2号被保険者で、糖尿病で失明しインシュリン注射をうち、てんかん等の重複障害を持っている人は、以前は療養型の病床で対応していたが、療養型病床が削減されるなかで受け入れ施設が減っている。療養型病床の削減を止めるとともに、こうした人が入れる施設を増やしてほしい。
A―――療養病床は医療が必要な人には引き続き行っている。平成24年までに老人介護施設へ転換するものだが、患者数を維持して行うものである。
5、4月からデイサービスや訪問サービスで、資格のあるスタッフの配置に対する加算項目が大幅に増えた結果、加算できる事業所の評価が上がる一方、サービス料が上がり、限度額を超えてしまう事例が出てきた。事業所によっては、利用者の負担増を避けるため、加算がつけられるのにつけないところもあり、事業所の経営にも影響がある。加算が利用者の負担増につながらない制度に改善してもらいたい。
A―――介護報酬の改定は介護従事者の収入増を図るためのもの。加算は利用者のサービス向上にもなるのでその分を負担してもらう。 参加者 介護報酬引き上げの際に限度額も引き上げるべきだったのではないか。
回答 引き上げると全体の財政を引き上げる。過去にマイナス改定をしたときには引き下げなかったので、今回引き上げることは難しかった。利用平均は限度額の5〜6割だが、限度額を超えるかどうかの人にとっては大事なことだと考える。
参加者 介護保険料の軽減のために一般会計から繰り入れることに自治体は消極的である。低所得者に対する保険料の軽減幅を拡大することや公的負担の割合を増やしてほしい
回答 公費も税金で、結局国民の負担であることに変わりはない。低所得者を軽減すればその分他の国民の負担増となる。
6、ケアマネジャーの質を確保し、向上を図るため、教育機関の設置もしくは、現行の研修制度の充実を図っていただきたい。
A―――平成21年予算でケアマネ資質向上事業を行う。
ミニボートピア富士おやまは許可要件を満たしていない
レクチャー1 《国土交通省》 ミニボートピア富士おやま建設計画 小山町須走に、モーターボートの場外舟券売り場(仮称:ミニボートピア富士おやま)が建設されようとしている。 ギャンブル場建設は、地元の小山町や隣接する御殿場市などの教育環境の悪化をまねき、青少年の問題行動の増加が懸念される。また、交通渋滞、交通事故の増加や施設からの排水による水質悪化などが心配される。
このため、小山町では「美しい小山町を願う町民の会」を中心に、4,206名の反対署名が集められ、特に地元の須走地区では過半数の世帯、人口の署名が集められた。小山町の2009年3月議会では「建設反対の議員決議」が上げられた。 また、御殿場市でも、市内の区長会やPTA連合会、各種団体から反対の陳情が議会に寄せられ、これをうけ、市長が反対を表明し、市議会では「設置反対の意見書」「設置反対決議」「ミニボートピア富士おやま設置を許可しないよう求める意見書」が採択されている。
これらの意思表明は、「地元との調整がとれていること」とした、国土交通省が定めた場外舟券売場の設置にかんする基準を満たしていないと考えるがどうか。
A―――公営ギャンブルは法に沿って行われている。場外舟券売場建設は国土交通大臣の許可が必要。ミニボートピア富士おやまはまだ許可申請がされていない。申請されれば基準に合致しているか判断して許可することになるが、現状では許可要件の1つ(町議会が反対決議をあげていないこと)を満たしていない。従来から地元の合意などを定めた3要件が大事と考えており、それは現在も変わりがない。なお防犯については地元の御殿場警察と施工者で協議が終わっていると聞いている。 施行者は地方公共団体で、この場合は浜松市と新井町で作る浜名湖競艇企業団と湖西市である。提訴している事業者は建設業者と思われる。
官行造林の持分買い取りの見直しは可能
《林野庁》レクチャー2 @ さる1月26日のレクで川根本町関係者が官公造林の無償譲渡、或いは、伐採して収益を分収できるまで無償で契約延長を求めている件について、説明と見解を求めたが、その後、どのような検討がされているか。
A 契約は立木を販売して得た収入を国と町が五分五分でわける契約だが、販売不調から町が国の持ち分を買い取る内容に変わっている。この契約変更をいつ行ったのかとの現地の質問に、森林管理署から、立木販売と持分譲渡は契約上の違いは無く、売り払いの形式が立木販売の場合は「公売」、持分譲渡の場合は「随意契約」となる違いだけであり、官公造林契約の変更手続きは必要としないと回答されたとのことであったが、これは正式な回答か。
A―――契約変更は必要ない。官行造林は共有物で法的には国が処分して利益を分けることになっている。町として希望があれば国の持分を買い取り、契約を終了することになる。
B 国と町の契約はもともと1922年(大正11年)から2002年までで、その後、2006年までに延長された。公有林野等官行造林法は1961年に廃止され、それまでに結ばれた契約に限り有効とされたため2006年度末に契約は消滅したものと思われる。町と国が、買い取り契約の「延長」を行ったのは2007年である。現在の契約は、公有林野等官行造林法に基づく「延長」なのか新規の契約なのか。
A―――契約は消滅したのではないかとの質問だが、継続していたと考えている。町と現地で話し合いが続いていた。同意の上で立木が残っている状態だったので、片方がわざと契約しなかったというわけではなく、すぐに契約期間が終了したからといって無効となるものではない。緩やかに契約は継続していたものと理解している。 お互いの同意の中で契約は継続していたと考えている。普通は10年契約なので20年延長と契約しているのか。期間を延長するというだけの場合もある。譲渡にするかは相談したらよい。
C 伐採してもいないのに、なぜ町は国の持分を買い取らなければならないのかとの質問に、将来的に伐採しないという町からの要望により、国の持分を町に譲渡しているとの回答だったとのことであるが、町は「伐採しないで欲しい」ことを伝えたに過ぎないといっているとのこと。むしろ、国が町に持分を買い取るように強要したのではないかとも思われるが、どうか。
A―――基本的な考え方として双方同意なら契約延長もあり得る。 会計検査院から契約にあるなら伐採して(代金を)回収しろといわれているが、すぐにそうはならないと思っている。 毎年これだけ買い取りなさいという義務はない。
鈴木町議 町がしばらく伐採しないでほしいというと、国から、それならその後で一気に伐採すると脅しのように言われている。町の意向を無視して一方的に伐採することはないか。 回答 それはない。川根本町に200ha残っていると聞いている。一度に切ることはありえない。切るときは町と相談してやる。
D 買い取り額の算出根拠についての質問に、過去の長官通達を根拠として「評価額は、持分譲渡を実施する時点での立木評価(グラーゼル)と市場価逆算式の算定方法により、いずれか高い額を採用することとなっており、最終的には森林管理署長が販売予定価格を決定している」などとの回答がされたと聞く。最も収益が高くなる林齢を前提としたグラーゼル方式を、伐齢期をこえた木に適用することは明らかに妥当性に欠け、国に都合の良い高額買い取りの押しつけではないか。買い取り中止を認めるか、ないしは、価格の見直しが当然行われるべきだと思われるが、考えはどうか。
A―――グラーゼル式はすぐに見直すということにはならないが、どう伐採するかの相談はできる。
E 伐採して売っても赤字になった場合、国はその赤字分も折半するのかとの質問に、「立木のまま一般競争入札により販売するため、赤字になることはない」とする一方、「販売予定価格は伐採することを前提としているため、市場価逆算式により算出しており、再造林にかかる造林投資額等の経費を上廻らなければ販売しないというものではない」と回答しており、再造林を行う側にとっては赤字が発生しうるとの見解である。さらに、販売するときの予定価格は市場価逆算式により算出しているのに、町へ持分を買い取らせるときは、グラーゼル式との比較で高い方を選ぶとしているのは、リスクを一方的に町にのみ負わせるもので、国による高額買い取りの押しつけといわざるを得ないのではないか。 A―――
F 国土保全の立場から国も持分の無償譲渡をすべきではないかとの質問に、「官公造林は立法措置が必要で現状では困難と考える」としつつ、「今後は、相手方の意向により計画的に国の持分を譲渡し契約解除していくこととする」と回答している。また、伐採して再造林できるだけの収益が得られるまで延長することはできないのかとの質問に、「一度に長伐期に相当する林齢を設定し契約変更とするのでなく、まずは10年や20年といった期間を検討し、かつ持分譲渡を行う残りの面積を考慮した上で、適切な延長期間を設定する必要があり、かつ計画的に持分譲渡を行い契約解除したいと考えている」と回答している。「契約は買い取り無しで延長できる」と受けとってよいか。また、「相手方の意向により」ということは、相手方が望まず、伐採も行われない場合、どのような問題が生ずるか。
A―――基本は契約期間内に売って分収するということ。現在の林業情勢では必ずしも売れないので、次は持分買い取り、次は契約延長となる。川根本町とは、買取と延長でやっているのではないか。 期限を過ぎているのでできるだけ契約を解消したいという気持ちはあるが、いろいろやり方はある。場所によってはまだ、分収できるというところがあるかもしれない。間伐なら、売らないので植林しなくてすむ。それをずっと続ければ自然木も生え、スギ、ヒノキの割合が少なくなり、譲渡するときに安くなることもあり得る。いろいろな方法が考えられる。 国も町もどれが一番いいか相談しながら進めて行く。 持分買い取りの見直しはできる。それは契約変更ではないし、契約違反でもない。 議員が持参した町との延長契約書には、期間延長のみが記載され、持分譲渡などの方法は記されていないことを林野庁の出席者にも確認してもらった。 鈴木議員 林道の買い上げ問題もあり、町当局には説明されないが、国有地の無償貸与などの方法もあると聞いた。 町に無断で伐採することができるか、質問主意書なども検討する 回答 勝手に伐採するかのような脅しとも取られかねない言動は慎み、契約について町と相談して進めるように下部に徹底する。
G 川根本町と同様に持分譲渡に変更されている他の自治体の名前、面積、樹種、林齢、金額および期間について明らかにされたい。 A―――地方局に伝えて、地元管理署で受け取れるように言っておく。
浜岡原発の事故原因の究明を
レクチャー3 《経済産業省》 浜岡原発について @ 高レベル放射性廃棄物の最終処分場が決まらないうちは、1、2号炉の建屋は壊さないと聞くが、決まらなければ永久的にそのままにするのか、また他の考えがあるのか。
A―――5,6年かけて冷却する間に処分場を決める。最終的に処分場がなければ解体はしない。「敷地内に埋めるのでは」との質問だが事業者が探すことであり、理屈ではありうるが他を探してもらう。
A 浜岡原発は東海地震の震源域の直上にあり、もし地震が発生した場合は東海、東南海地震も連動する可能性もあり、相当の過酷事故となる。国は原発震災を認めるか。
A―――M8級の東海地震、M8・5級の東南海地震連動型も考慮して余裕を持った設計をしている。地震が起きても安全は確保されるし、安全に停止できると考えている。 3〜5号機は過去の地震の記録を調査してある程度余裕を持っている。連動型地震の可能性が高い地域に立地しているのでよく検討している。専門の立場から見てもコンクリートの品質は維持されている。 JCO事故以来、絶対安全ということはないという立場だ。柏崎刈羽原発で「想定外」がおきた。何が起こりうるか検討して対応していく。
B 国は、原発はCO2を放出しないので温暖化抑制に適しているとして、原発を推進しているが、原子炉を冷却するにかなりの電力を使うためCO2が出ることをどう考えるのか。今後も同じような立場をとって推進するのか。
A―――ポンプを使うための電力は使っているが、かなりの電力ではない。通常は点検時も構内の他の原発から調達しているからCO2はでない。
C 5号機に続き4号機も水素濃度が上昇し手動停止となった。志賀、女川両原発でも同様の事故が発生しおり、住民の不安は計り知れない。比較的新しい原発でこのような事故を起こしている根本的原因は何か、究明の状況はどうなっているか。運転上の不適切さ、また、装置の欠陥も考えられるがどうか。 A―――事業者による原因究明を国として待っている。運転上の不適切さや欠陥があったかなどいま調査しているところだ。 新しい施設でしか起こっていないことにも関心を持っている。手入れしすぎて触媒が効かないのかもしれないという仮説もある。 女川3号機の平成19年11月の案件では水素濃度が一定以下になると触媒の効きが悪くなっているが、浜岡5号機はこのケースだけでは説明ができない。
参加者 事故がおきれば大きな被害が出る。停止すれば火力発電所に頼ることになり温暖化に逆行するし、処分場の問題もある。地元交付金などを含めて、かかる経費は結果的に莫大になる原発推進よりも風力、太陽光などの普及に力を入れるべきではないか。
回答 安定的に電力を供給するために原子力は必要。安全をきちっとして維持する。
参加者 新設する6号機も含めて御前崎市は、中部電力と安全協定は結ばないといっている。国は指導してほしい。国として結ぶのが好ましいという意見を出すべきだ。
回答 自治体と事業者の間のことで国は関与できない。なぜ中電だけ結んでいないのかわからない。自治体がどうやって安心を確保するかのやり方の違いだと思う。
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