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(09・1・26)林野庁、厚労省との政府交渉(レクチャー)
契約時の前提条件が破綻している林野庁の契約
今日は林野庁、厚労省との政府交渉(レクチャー)をおこないました。林野庁では、川根本町が大正11年に契約し、町所有の官公造林の国の持ち分譲渡(植林した木材を伐採し、利益が出たら折半する契約)に毎年300万円前後を払っています。しかし、契約後80年以上たち、材価は安く、切った後は多額の植林費用がかかることなどから切ることも出来ずに水源涵養林としてそのままにしており、町に何ら財政収益をもたらしている訳ではありません。
ところが、国は契約だからとして、伐採してもいないのに国の維持管理にかかった費用分として町に対し、毎年300万円前後の負担をさせています。
交渉では、伐採するのが基本であること。伐採するのがいやだと言うことを自治体側から言えばそれは伐採をしないこともある。伐採して赤字になれば赤字も折半になるが、伐採したあとの植林は自治体の負担になる。そのために、自治体の側は伐採して赤字になった上に、植林の費用も負担ということになりダブルパンチです。だから伐採せずに国に対する費用(間伐などの管理費用など)を負担し続けるわけです。
そもそも、契約時の前提条件が破綻しているこうした契約は、廃止するか見直しをすべきとして改めて要請書を手渡しました。
厚労省レクチャー(1)
続いて厚労省とのレクチャーでは、 @乳幼児医療費補助で自治体が償還払いでなく、窓口支払額をゼロにしたり1回500円等の現物給付にすると、国は国庫補助を減額するペナルティーを課している問題。 A―――お金のある自治体では医療費の現物給付で安くなっているところに、さらに国庫補助をつけるということは、負担の公平性の観点から国庫補助に調整をつけさせてもらって配分している。国庫補助の平等の配分という観点からは必要な制度であると考えている。
A児童手当の所得制限は、廃止するか、少なくとも緩和すること。 A―――所得制限は、通常奥さんと子ども2人の扶養親族3人の場合は780万円まで、サラリーマンの特例給付では860万円までとしている。 くまなく全国民に配布する仕組みにはなっていない。平成18年度の制度改正で、支給率をおおむね90%にしている。90%の子どもが支給対象になっているのが現状である。
Bインフルエンザ予防接種への補助を高齢者だけでなく、集団で生活する時間が長く、抵抗力も低い子どもにも国や県の補助を付けて、自治体の補助上乗せを促し、子どもたちへの大流行を防ぎ、子どもの健康・生命を守ること。 A―――インフルエンザの予防接種を子どもにおこなうことは、平成6年までは接種したからといって効果が見られなかったことから、確実にインフルエンザを予防できない予防接種はいかがなものかと一時中止になった経緯がある。しかしながら、平成13年の改正で高齢者の方では、もし、かかっても重症化が阻止できるのではないかとの研究結果が出たことから。65歳以上の方には行政上1類と2類があるが、2類では自己防衛を目的とする位置づけから接種が進んでいる。こどもについてのインフルエンザは接種したからといって100%予防できるとはなっていない。国のほうから予防接種をしなさいとすることは、新たな地方財政の負担を生じることになり、簡単にはいかないと考えている。
C保育料の国の基準額は余りにも高すぎ、少子化対策に逆行する。保育料の父母負担を大幅に軽減すること。 A―――保育料は所得税に応じて負担する。兄弟姉妹のいる家庭では、第一子は満額徴収し、第二子は1/2、第三子目以降は1/10の徴収と軽減してきた。21年度は、第三子目以降は十分の一から無料にすることにした。
D介護報酬の引き上げは、介護職員などの低賃金、職業病など劣悪な待遇を見ても当然だが、確実に待遇改善につながるように注意し、引き上げに要する費用は全額国の負担とすること。 A―――平成21年度の介護報酬改定(+3・0%改定)について、介護従事者の人材確保・処遇改善として@負担の大きな業務への評価A専門性への評価・介護従事者の定着促進B人件費の地域差への対応などをおこなう。また、09年度の介護報酬改定(+3・0%改定)により介護従事者の処遇改善を図ることとしつつ、それに伴う介護保険料の急激な上昇の抑制等をおこなう。
おずおずと指導では通達が泣く
厚労省とのレクチャーでは、深刻な派遣切りを中止させる問題で要請しました。 この間、党静岡県委員会としても静岡労働局に要請はしてきました。日本共産党の国会論戦を通じ、厚労省としても日本共産党の主張を反映した「労働基準局長通達」「職業安定局長通達」が出され、労働基準法などで定める法定労働条件を順守することはもとより、労働契約法や裁判例等に照らして不適切な取り扱いが行なわれることのないよう、新たに作成するパンフレットなどを活用し指導をおこなうとされています。
しかし、現状はスズキでは新たに250人の派遣社員と110人の期間社員の削減が発表され、本田技研工業(株)浜松製作所では、期間従業員450人の追加削減が発表されるなど、厚労省通達に挑戦するような事態がすすんでいます。年度末の3月に向け、さらに派遣社員の大幅な切りすてが予測されていることから、厚労省通達がその通りに実行されるよう要請をおこないました。
レクチャーでは、「企業側が厚労省の言うことを聞かない」などと言う場面も ありましたが、「派遣元と派遣先の企業との間の、民間と民間の契約の問題だから、そこに『やってはいけない』と言えない。我々は派遣元に対する指導だ」との主張をしました。しかし、実際に派遣先でクビにされるために派遣元でも仕事がなくなるわけです。一般のマスコミでも大手16社で33兆円を超す巨額の内部留保があり、その「『強欲さ』に歯止め必要」と報道している時に、派遣先の企業に指導をすべきと、あらためて要請書を手渡しました。
林野庁、厚労省に提出した要請書
2009年1月26日 林野庁長官 内藤 邦男 日本共産党静岡県委員会 委員長 松下 功 要 請 かつて営林署時代に植林を進めた、町所有の官公造林の国の持ち分譲渡(植林した木材を伐採し、利益が出たら折半する契約)に毎年300万円前後を払っていますが、材価は安く、切った後は多額の植林費用がかかることなどから切ることも出来ずに水源涵養林としてそのままにしており、町に何ら財政収益をもたらしている訳ではありません。 契約は大正11年に行われたもので、80年8ヶ月25日の契約期間途中に材価が暴落し、伐採経費や搬出経費を差し引くと赤字になる状況や、切った後の植林や育苗にかかる多額な経費を考え、とても伐採することなどできない状況なのは国が一番良く分かっているはずです。 それなのに、80年間の契約期間が過ぎても大半が残っていることで、町に更に20年間の譲渡延長の契約更新をさせ、財政力の弱い町に国への譲渡費や後の管理費用などを一方的に負担させるのは、国土保全の責任を持つ国のやることではないはずです。 「収益分収の歩合は国5分、村5分」との契約条件から言っても、国はむしろ赤字分を町に補填して当然で、利益を出せる見通しもないのに、財政力の弱い小さな過疎の町に何十年も国の権利購入費を出させ続けるどんな正当性があるのでしょうか。むしろ国は、これまで町に利益もないのに不当に払わせ続けた譲渡費を返還すべきではありませんか。 以前のように営林署が存続していて、引き続き植林や山林管理を行うための職員の労賃等に充てる事もあるでしょうが、既に営林署は無くなって久しく、契約者である中川根村も徳山村との合併で中川根町となって半世紀近くが過ぎ、林業を巡る状況も大きく変わりました。 議会でも毎回予算や決算の度に、「お金を払うな」「余りにも高すぎる」などの声が議員から上がりますが、行政は「昔交わした契約があり、お金を払わないと町長は後ろに手が回る」などと言って、やむなく支払いを続けていると言う説明がされているものです。 80年以上も前の契約で、しかもその状況も大きく変わっていて、小さな町の財政に大きな負担となっていることや、山がある市町村は譲渡後もその山を守っていることなどを鑑みて、国土保全は国の責任も大きい事などの観点からも、官公造林の国の持ち分譲渡は無償とすることを強く求めます。
2009年1月26日 厚生労働大臣 舛添 要一 殿 日本共産党静岡県委員会 委員長 松下 功 要 請 (1)少子化の今、子育て支援は最重要課題です。地方自治体が懸命に行っている子育て支援策に、国も財政支援を行うこと。 @乳幼児医療費補助で自治体が償還払いでなく、窓口支払額をゼロにしたり1回500円等の現物給付にして、祖父母などがお金の心配なくいつでも早めに子どもを医者に連れて行けるようにすると、国は国庫補助を減額するペナルティーを課している。 その上、町の施策に対するペナルティーで国保会計の国庫補助を減らされた分、町の一般会計からその他繰り入れで入れると、国はその他繰入をした事で特別調整交付金を減らすというペナルティーをかけられるので、旧中川根町ではその他繰入もやめた経過がある。町の懸命の施策に国がペナルティーをかけるなど、地方分権に反するものではないか。少子化対策は、国が率先して行うべき課題で、ただちに中止すること。 全国ほとんどの県と自治体が実施している乳幼児医療費補助に対して、国も補助制度を創設して、国・県・自治体が力を合わせて、安心して子育てできる国にすること。 A児童手当の所得制限は、廃止するか、少なくとも緩和すること。 Bインフルエンザ予防接種への補助を高齢者だけでなく、集団で生活する時間が長く、抵抗力も低い子どもにも国や県の補助を付けて、自治体の補助上乗せを促し、子どもたちへの大流行を防ぎ、子どもの健康・生命を守ること。医療費抑制にもつながる。 C保育料の国の基準額は余りにも高すぎ、少子化対策に逆行する。保育料の父母負担を大幅に軽減すること。 D介護報酬の引き上げは、介護職員などの低賃金、職業病など劣悪な待遇を見ても当然だが、確実に待遇改善につながるように注意し、引き上げに要する費用は全額国の負担とすること。 介護保険制度は低所得者程負担が重く、低所得者は必死で保険料を払っても(有無を言わせず天引きされても)、サービスを受けられない人が少なくない。又、75才以上の高齢者は、後期高齢者医療制度導入による負担増の上に、更に介護保険料の値上げは絶対に避けるべき。 国の負担をかつての措置制度時の50%に戻すべきで、とりあえず当面は早急に、今の25%を30%まで国負担を引き上げて、低所得者への負担軽減策や、保険料の値上がりを防ぎ、今後も徐々に50%まで引き上げて、「負担あって介護無し」の状況を改善し、年を取っても誰もが安心して老後を過ごせる介護保険制度とすること。
2009年1月26日 厚生労働大臣 舛添 要一 殿 日本共産党静岡県委員会 委員長 松下 功 要 請 昨年12月9日に、深刻となる派遣社員の切りすて問題で日本共産党静岡県委員会として、派遣社員、期間社員をはじめとする大量解雇、「雇い止め」を中止し、雇用を維持するために最大限の努力をするや、失業した労働者の生活と再就職支援を抜本的に拡充することなど、4項目の要請を静岡労働局におこないました。 同日、厚労省としても「労働基準局長通達」「職業基準局長通達」が出され、労働基準法などで定める法定労働条件を順守することはもとより、労働契約法や裁判例等に照らして不適切な取り扱いが行なわれることのないよう、新たに作成するパンフレットなどを活用し指導をおこなうとされています。 しかし、現状はスズキでは新たに250人の派遣社員と110人の期間社員の削減が発表され、本田技研工業(株)浜松製作所では、期間従業員450人の追加削減が発表されるなど、年度末の3月に向け、さらに派遣社員の大幅な切りすてが予測されていることから、以下のことを要請します。 1、これ以上の「非正規切り」の被害者を出さないために、契約満了で雇い止めの乱用を許さない新規立法も含めた「非正規切り」防止の緊急措置をとること。 2、雇用保険の6兆円の積み立てを効果的に活用し、政治の責任で住居と生活と職業を保障すること。 3、製造業にとどまらず、どんな職種でも「使い捨て労働」を許さないために、1999年の原則自由化前に戻すよう労働者派遣法の抜本的改正をおこなうこと。
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