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今日は浜岡原発の事故隠しの問題で、経済産業省と政府交渉をおこないました。北陸電力が1999年に、志賀原発1号機の定期検査中に発生した臨界事故を、国に報告しなかった問題が明らかになりました。同様の問題は中部電力浜岡原発3号機でも起きていたことも明らかになっています。 中部電力では01年11月に、緊急炉心冷却システム系の配管破断事故が発生し、その事故を契機として軽微なトラブルについても報告するとなりました。その後、02年6月には、原子炉の圧力容器からの放射能を含んだ水漏れ事故。06年7月にはタービンブレード脱落事故など、事故が連続して発生しています。 しかし、今回の問題でもあいかわらず事故を隠す企業体質は改まっていないのではないでしょうか。今回、臨界事故にはならなかったとされていますが、一歩まちがえば志賀原発と同じような重大事故になりかねなかったことから、経済産業省に要請をおこないました。この交渉には佐々木憲昭衆議院議員、井上さとし参議院議員、清水澄夫御前崎市議と私が参加しました。
要請項目と回答要旨は以下の通りです。1、中電は、今回の定期点検中の制御棒の脱落事故について、国への報告対象ではなかったとし、事故隠しではないと説明していますが、志賀原発ではじっさいに臨界事故になっています。制御棒の脱落は臨界事故の直接原因になる問題であり、国に報告する対象事項にするように改めること。A−−−原子炉の安全に関わる事項なので省令改正をし、制御棒脱落事故は国への報告事項とする。2、今回、制御棒が1本ならず3本も脱落していたことから、実際には臨界事故が起きていた可能性もあるのではないかと心配されます。本当に臨界事故に至っていないのか、また至らなかったとしても、脱落した本数や脱落箇所などからみて、臨界になる危険はどこまで切迫していたのか、具体的な資料公開とともに十分な説明をしてください。A−−−中性子を測る計測器は浜岡では機能しているし、変動はなかった。また、制御棒については、炉心形状や燃料棒の期限(1年目、2年目など)により一概にはいえないこと。事象としても程度としても問題なく、制御棒が離れていれば問題ない。幸い脱落した制御棒が最外周であったため切迫性は低い。3、志賀原発1号機は自動停止装置も働かず、15分間にわたり臨界状態が続いたといいますが、なぜ自動停止装置が働かなかったのか、浜岡原発では安全装置が作動しない事態が起きないような保障があるのか、明らかにしてください。A−−−4、中電のこれまでの不正報告は、原発関係で123件もあると中日新聞で報道されています。なぜ事故隠しや不正報告が繰り返されてきたのか、そうした中電の企業体質に周辺住民はじめ多くの人々は深い不信の念を消し去ることができません。一連の事故報告を含め周辺4自治体に対して説明会を実施するように、中部電力を指導してください。A−−−保安院として地元に説明する。もちろん事業者としてもしっかりやっていただけると思っている。指摘されることは正にその通り。昨年12月30日、総点検の指示をだした。それは水力、火力でもデーター改ざんをやっていてポロポロ出ていたため、3月30日を期限に出せるものは全部出せとした。こうした指示を出した理由は4点ある。@悪循環を断つA不正を許さない体質をつくるB情報を共有することにより事故の再発防止をおこなうC電力の体質改善により信頼をかちえる。5、今回の問題でより根本的に不正の根を絶つためには、当事者任せでなく、第3者による徹底した調査で全容を解明すること。また、定期検査を電力会社が行い国は報告を受けるだけという現在の仕組みを改め、規制機関である原子力安全・保安院を、原子力の推進機関である経済産業省資源エネルギー庁の一部局から独立させること。A−−−10年前と比べるとずいぶん変わってきた。03年10月には事業者まかせから大幅な改正を行い、なぜその数字が出てきたのかの検査もやっている。また、今まではウソがあった場合は個人については1年以下の懲役と30万円以下の罰金となっていたものが、1年以下の懲役と100万円以下の罰金となり、内部告発などの申告なども取り入れ不正はしにくくなっている。6、事故隠しや不正報告がなくならない状況で、浜岡原発4号機でのプルサーマル計画は中止してください。A−−−温暖化との関係からもプルサーマルは不可欠という認識は変わらない。理解していただきたい。 交渉して驚いたのは、制御棒が脱落すれば即、臨界事故につながる恐れがある重要な問題であるにもかかわらず、脱落しても臨界にならなければ報告しなくても良いとなっていることです。今回の省令改正でも制御棒の脱落が報告事項に追加されるだけということで、新たな予期できない問題が出てくればその都度追加するということで、原発は事故になったら制御できないものという危険なものという認識が非常に薄いと感じました。
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